ぎぎぎーーー
古いハサミが出てきた。硬くて動きが悪いと思ったら、錆びていた。
錆。
さびているものって、なんだか少し怖い感じがする。
できれば見て見ぬ振りをしておきたい気持ちにかられる。
サビに覆われると、もともとは美しく光って、スムーズに動いていたのにまるで別のものだ。
ただ「錆」は、もう取り返しがつかないようで案外そうでもなかったりもする。
ゴリゴリ削ったり、薬品で取って、磨きをかけると、もとの美しい表面があらわになる。
新しい塗装をして生まれ変わらせることもできる。
錆は、わたしたち自身にもつく。
使わないでいる部分は、いつのまにか錆がついている。
錆がつくと、感じることが鈍くなる。
錆がつくと、動きが鈍くなる。
錆がつくと、硬くて頑固になる。
自分を放置していると、簡単に錆がつく。
錆がつくと、やっぱり見て見ぬ振りをして開けた扉を閉めたく締めたくなる。
年を重ねるうち、辛いことや我慢することもつのってきて、錆びつかせたほうが楽に感じることがあるかもしれない。
でもそれは同時に、希望やパワーを奪っていく諸刃の剣。
ただ、誰でも本心から錆びつきたいわけじゃない。
私自身も、まだまだ切れるハサミでいたい。
じゃぁ何からはじめるか。
たとえば、昔 大好きだった美術館に行くことかもしれないし、新しいスポーツを始めることかもしれない。
昨日の延長ではないことをする。
わたしにとっては、今これを書いていることもその一つ。
昨日までとは少し違うコンセプトでブログを書くことにしてみた。
まずはそこからはじめてみようと思う。