「人と比べてもしょうがないやろ」
子供の頃に、母に言われた言葉をふと思い出した。
わたしが、「ピアノを習いたい」「バレエを習いたい」と、せがんだときだ。
その頃のわたしの習い事といえば、習字とそろばん。
あと、近所にリンクがあったからスケート。
純昭和的な母の目には、ピアノやバレエはハイソぶってる家の子がやる習い事のように映っていたらしく、
理由もなく洋風な習い事を敵視しているようだった。
そして、わたしのリクエストを反対さする理由が
「人と比べてもしょうがないやろ」
だった。
結局のところわたしは、思春期になると、それらに関係することをことごとく勝手に始めてしまうことになるのだが、
あの頃の母はなんとなくそれを怖れて心配していたのかもしれないな。
母の言い分はさておき、「人と比べる」ということは、社会的な生き物の私達にとっては ある意味ごく自然なことだ。
比べるから自分の立っている場所や個性が明確になる。
自分を認めたり、相手を認めたり、お互い成長できたりするのだ。
ただ問題は、比べ方。
相手が輝いているところと、自分が足りないところを比べてしまうことだ。
この比べ方をすると、必ず負ける。
負けるために比べている、と言っても過言ではない。
そうやって勝手に落ち込んで、嫉妬して、自分が嫌いになる。
そういうときの処方箋は、まずは、他人じゃなく、過去の自分と比べること。
過去の自分とくらべたら、成長しているところや、失ってしまったものが見えてくる。
勝ったり負けたりする。それが一番 自分を成長させてくれる比べ方だから。
今日もいい一日を
ありがとう