着物の着付けのキモ。胸元をきれいに若々しく仕上げる秘訣。

ダケ的キモノ論では、上胸のあたりは、着物姿の「顔」にあたると思います。

ここは特に「年齢」に関わってくる部分。もちろん、実際の年の数ではありません。

若々しく、うぶに、見せたいのか、老けて、粋に、こなれたように見せたいのか、などの表現に関わる部分です。

きものは、平らな布を、皺を作らないように身体に巻き付けて着るものです。

そのため、なるべく胴体をなだらかな筒型に作らなければなりません。
洋装のように、凹凸をより強調させるのとは真逆で、凸の部分をつぶし、凹の部分を埋める、という補正をするのですね。

☆和装ブラジャーの役割

和装ブラジャーは、上半身の下地として、胸の膨らみを押え、胸の上部分を膨らませる役目を持っています。

つまり、パットを入れ、ワイヤーで胸の高さを強調する洋装のブラジャーとは、真逆の目的なんですね。

「ブラジャー」は、おそらく日本では普及率100%でしょうが(今はブラパット付きカットソーが主流ですね)、それ以前は、着物の下はノーブラ、胸が大きい人などは ”晒” をぐるぐると巻く、というのが主流だったと思います。

胸の立場からすると、えらく抑圧され、ないがしろにされてきたもんだ、って感じでしょうけれど (# ゚Д゚)。

☆胸の膨らみの操作

胸があまり大きくない人は、長襦袢の伊達巻で、しっかり胸を押さえてホールドすることが可能です。

胸を押さえる理由としては、帯の上に胸がのっかってしまうと、太って見えたり、だらしなく見えたりして、着崩れもしやすいからです。

代用品としては、膨らみの少ないスポーツブラや、競泳用のセパレート水着のトップス、パットやワイヤーの入っていないブラジャーなんかが使えそうですね。

☆胸の上から肩甲骨あたりの膨らみの操作

着物は、上胸に張りがある「鳩胸」にすると、若々しく福々しく見えます。逆にここにシワが入っていると老けて貧相にみえがちです。
また、前肩の人(肩が前に出ている人)や猫背の人は、肩の前辺りに皺が出やすいのでチェックしてみてくださいね。

そういう理由もあって、特に振袖の着付けなどでは、ここに補正をしっかりと入れて、若々しさを強調します。

また、着物で一番着崩れしやすいのは襟元ですから、ここに膨らみがあると、着物がぴたっと胸に沿うために、着崩れがしにくいんです。

この部分の補正は、フェイスタオルで簡単に出来ますよ。(下記に、そのやり方を書きますね)

和装ブラジャーが便利なのところは、この部分にスポンジパットが入っているため、着るだけで胸と上胸の補正が両方出来るからなんです。

とは言え、わたし的には、補正よりももっとずっと大事なのは「姿勢」だと考えます。
胸を張り、姿勢を良くしていれば、この部分の補正も少しでよく、若々しい印象の着物姿になりますよ。

☆和装ブラジャーと補正の種類

 

一般的に「和装ブラジャー」といえばこういうのを指します。私も、着物でお出かけするときにはたいてい使っています。
肩甲骨あたりから胸の上をふくらませ、バストトップを押えて、全体的になだらかなラインを作るためのものです。

ま、コルセットのようで ちょっと窮屈なので、私自身は、普段家で着物を着ているときにはあまり使っていません。

私がはじめて着付けを習った時に、「和装ブラジャー」として使っていたものはこちらです。
シワシワのままで見苦しくてすみません( ;∀;)

通っていたお教室で、まとめて一式購入したグッズのひとつではあるのですが、 今から考えても、ブラジャーと補正が一緒に出来る、しかも苦しくない、けっこうな優れものです。

これのいいところは、補正の量(つまり、必要なところに 綿を詰めていきます)を、それぞれ好きなように自分で「盛って」行けるところです。

売られている商品で、私が使っていたものに結構近いなというのがこの商品でした。
こちらも、綿がついていて、自分で量を調節できるようです。

ただ、同じようなものは簡単に手作りできますので、そのうち、手作り派の人のために、作り方を記事にいたしますね。

 

こちらはいわゆる補正ベストですが、和装ブラジャー無しで、肌襦袢+補正着 でも充分だと思いますよ。

☆フェイスタオルでの補正

足りないところを足す補正は、体型や、どんな着物を着るかによって、決めればOKです。
タオルだと厚みがありますし、軽くでいいなら晒やガーゼ、手ぬぐいなどがおすすめです。
出来るだけ天然素材で、汗をよく吸い取ってくれるものを使ってくださいね☆

タオルの折り方はこちら

<写真>

軽く縫っておいてもいいですし、サージカルテープで貼り付ける、というやり方もあるようです。